0-3. Hello, World!¶
最初のJavaプログラムを作成し、コンパイルと実行の流れを理解しましょう。
Javaプログラムの基本構造¶
以下のコードを HelloWorld.java という名前で保存します。
public class HelloWorld {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello, World!");
}
}
コードの解説¶
public class HelloWorld- クラスの定義。Javaではすべてのコードはクラス内に記述される
public: このクラスは他のクラスからアクセス可能- クラス名とファイル名は一致させる必要がある(
HelloWorld.java) -
重要: Javaでは1つのファイルに1つのpublicクラスのみ定義可能
-
public static void main(String[] args) - プログラムのエントリーポイント(開始地点)
public: どこからでもアクセス可能(JVMから呼び出されるため必須)static: クラスのインスタンス化なしで呼び出し可能void: 戻り値なしmain: メソッド名(この名前は固定、変更不可)-
String[] args: コマンドライン引数を受け取る配列 -
System.out.println("Hello, World!"); - 標準出力に文字列を出力
System: Javaの標準クラスout: 標準出力ストリーム(Systemクラスのstaticフィールド)println: 改行付きで文字列を出力するメソッドprint: 改行なしで出力する場合はこちらを使用
コンパイルと実行¶
ターミナル/コマンドプロンプトを使う場合¶
1. ファイルの作成¶
テキストエディタで HelloWorld.java を作成し、上記のコードを記述します。
2. コンパイル¶
javac: Javaコンパイラ- 成功すると
HelloWorld.classファイルが生成される - エラーがある場合はエラーメッセージが表示される
3. 実行¶
java: Java仮想マシンを起動してプログラムを実行- 注意: 拡張子
.classは不要
4. 出力¶
IDEを使う場合(IntelliJ IDEA)¶
- ファイルの作成
- プロジェクト内で右クリック >
New > Java Class -
クラス名を
HelloWorldとして作成 -
コードの記述
-
上記のコードを入力
-
実行
- エディタ上で右クリック >
Run 'HelloWorld.main()' -
または、
Ctrl/Cmd + Shift + F10 -
出力確認
- 下部の実行ウィンドウに
Hello, World!が表示される
IDEを使う場合(VS Code)¶
- ファイルの作成
-
エクスプローラーで
HelloWorld.javaを作成 -
コードの記述
-
上記のコードを入力
-
実行
- エディタ右上の
Runボタンをクリック -
または、
F5でデバッグ実行 -
出力確認
- ターミナルに
Hello, World!が表示される
コマンドライン引数の利用¶
プログラムに引数を渡すこともできます。
public class HelloArgs {
public static void main(String[] args) {
if (args.length > 0) {
System.out.println("Hello, " + args[0] + "!");
} else {
System.out.println("Hello, World!");
}
}
}
実行例¶
出力:
引数なしの場合:
出力:
よくあるエラーと対処法¶
1. javac: command not found¶
原因: JDKがインストールされていないか、パスが通っていない
対処法:
- JDKのインストールを確認(java -version)
- 環境変数 PATH にJDKのbinディレクトリが含まれているか確認
2. error: class HelloWorld is public, should be declared in a file named HelloWorld.java¶
原因: ファイル名とクラス名が一致していない
対処法:
- ファイル名を HelloWorld.java に変更
- または、クラス名をファイル名に合わせる
3. Error: Could not find or load main class HelloWorld¶
原因:
- .class ファイルが生成されていない
- 実行時に .class 拡張子を付けている
- カレントディレクトリが間違っている
対処法:
- javac HelloWorld.java でコンパイルを確認
- java HelloWorld(拡張子なし)で実行
- .class ファイルがあるディレクトリで実行
Java 11以降: シングルファイルでの実行¶
Java 11以降では、コンパイルと実行を同時に行うことができます。
- 小規模なスクリプトやテストに便利
.classファイルは生成されない(メモリ上で実行)- 複数ファイルのプロジェクトには不向き
- 実行が高速で、学習や簡単なテストに最適
従来の方法との比較:
# 従来の方法
javac HelloWorld.java # コンパイル
java HelloWorld # 実行
# Java 11以降の簡易実行
java HelloWorld.java # コンパイル + 実行
まとめ¶
- Javaプログラムは
.javaファイルに記述 javacでコンパイルし、.classファイルを生成javaで.classファイルを実行- すべてのプログラムは
mainメソッドから開始 - ファイル名とクラス名は一致させる
- Java 11以降では
java FileName.javaで直接実行可能
おめでとうございます!
最初のJavaプログラムが動作しました。これでJavaプログラミングの第一歩を踏み出しました。
次のセクションでは、プロジェクトの構造とパッケージの概念について学びます。